防蝕ライニングでFRP工法が選択されるケースを徹底解説

樹脂ライニング

はじめに

本稿では、防蝕ライニングにおいてFRP工法が選択される理由について徹底解説します。FRP工法(繊維強化プラスチック工法)は、防蝕や防水の目的で産業界に広く使用されています。

(株)RSテックではコンクリート防蝕に関する、様々な耐食樹脂と工法を提供することができます。

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防蝕ライニングとは?

防蝕ライニングとは、腐食や化学反応によるダメージから構造物を保護するための内部コーティングであり、その中でもFRP工法は特に優れた耐久性と強度を実現します。

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FRPライニング工法

FRP(Fiber Reinforced Plastic)工法は、強度と耐蝕性を兼ね備えた繊維強化プラスチックを用いたものです。軽量でありながら高い強度を持ち、腐食や化学反応に強いため、長期にわたる保護が可能です。

  1. ガラス繊維の性質:
    • ガラス繊維は、非常に高い引張強度と良好な耐熱性を持ちます。
    • 耐腐食性が高く、化学物質や湿気に強い特性を持っています。
    • その柔軟性により、さまざまな形状やサイズに加工することが可能です。
  2. 強化樹脂:
    • ガラス繊維は通常、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性プラスチックと組み合わされます。
    • これらの樹脂は、硬化するとガラス繊維を固定し、強度と耐久性を高めます。

水中硬化性が特徴のエポキシ耐食材料を活用したRSJ#100エポキシFRPライニング工法の詳細は以下のリンクから確認ができます。

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幅広い薬品耐性と塗膜強度を兼ね備えるRS#300ビニルエステルFRPライニングの詳細は、以下のリンクから確認ができます。

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FRPライニングの製造過程

FRPライニングの製造過程を簡単に説明します。

  1. 表面準備
    • ライニングを施す表面を清掃し、油分や汚れを除去。
    • サンドブラストやグラインダーで表面を荒らし、接着性を向上させる。
  2. プライマー塗布
    • 接着力を高めるために、下地にプライマーを均一に塗布。
  3. ガラス繊維のカット
    • 使用するガラス繊維シート(マットやクロス)を必要な寸法にカット。
  4. 樹脂の準備
    • ポリエステル、ビニルエステル、エポキシなどの樹脂を適量準備し、硬化剤や触媒を混合。
  5. ガラス繊維の配置
    • カットしたガラス繊維シートをプライマー塗布済みの表面に敷く。
  6. 樹脂の塗布
    • ガラス繊維の上に樹脂を均一に塗布し、ローラーやブラシでしっかりと浸透させる。
    • エア抜きローラーを使って、気泡を取り除く。
  7. 繰り返しの積層
    • 必要な厚みになるまで、ガラス繊維シートと樹脂の積層を繰り返す。
    • 各層ごとに樹脂をしっかりと浸透させ、気泡を取り除く作業を行う。
  8. 最終層の仕上げ
    • 最終層のガラス繊維と樹脂を積層し、表面を平滑に仕上げる。
  9. 硬化プロセス
    • 積層が完了した後、適切な温度と湿度で樹脂を硬化させる。

この積層工程により、FRPライニングは高い強度と耐久性、防蝕性を持つ層が形成されます。

FRPライニングの利点

FRPライニングは、ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を使用したプラスチック素材を使って表面を保護する技術です。以下の利点があります。

  1. 耐食性
    • FRPは多くの化学物質に対して高い耐食性を持っています。酸、アルカリ、塩分などの腐食性物質から設備や構造物を保護するのに適しています。
  2. 耐摩耗性
    • FRPは摩耗に強く、長期間の使用にも耐えます。これにより、表面の劣化を防ぎ、メンテナンスの頻度を減らすことができます。
  3. 軽量
    • FRPは軽量でありながら高い強度を持っています。これにより、構造物の重量を増加させることなく補強が可能です。
  4. 耐熱性
    • FRPは一定の高温に対しても安定した特性を保ちます。これにより、高温環境での使用にも適しています。
  5. 施工の柔軟性
    • FRPは施工が比較的簡単で、複雑な形状の設備や構造物にも適応できます。現場での成形が可能で、既存の構造物にも適用しやすいです。

耐食材料RS#200(不飽和ポリエステル)は、硬化後も柔軟性を保つことにより素地によく追従します。詳しい内容は以下のリンクから確認ができます。

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FRPライニング工法が選択されるケース

FRPライニング工法は、塗膜強度や耐食性が求められる用途に適しており、化学プラントや工業施設のタンクや配管でよく使用されます。

孔食や摩耗が想定される鋼製のタンクや槽の内面

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この場合内面にFRPをライニングしておけば 漏油は防げます。

タンク内面底板に一定以上の厚さのFRPをライニングすれば、液圧はFRPが支えますから、底板に外面から貫通孔が開いても漏油しません。 (実験によれば鋼材の容器に10φの孔を開けて、その上に厚さ約1mmのFRPを貼って塞げば、20mHの水圧を支える事が出来ます。)

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劣化が進んだコンクリート設備

劣化が進んで、下地が凸凹になっている場合は、下図の様にパテを介して凸凹を埋めれば、ほぼ平らに仕上がります。

最低膜厚をキッチリ確保したい、強度を確保したい場合は、FRPを活用した仕様にします。

FRPライニング工法が選択される設備の代表例は以下の通りです。

これらのケースにおいて、FRPライニング工法はその耐食性、耐久性、防水性により、多様な産業分野での信頼性の高い保護手段として選択されています。

FRP工法の未来

FRP工法の将来性は、その革新性と環境への配慮から非常に明るいものと見られています。技術の進歩により、さらに軽量で耐久性の高い材料の開発が進んでおり、これにより様々な分野での応用範囲が広がりつつあります。

無溶剤の耐食エポキシによるFRP工法

近年では、環境への配慮を考慮し、耐蝕性に特化した無溶剤のエポキシ樹脂の開発が進められています。これにより、より環境に優しいFRP工法の開発が可能となっています。

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カーボン強化繊維による強度の向上

  • カーボン繊維は、非常に高い強度と剛性を持ち、ガラス繊維よりも優れた機械的特性を提供します。
  • 軽量でありながら、優れた引張強度と耐久性を持ちます。
  • 熱膨張率が低く、高温環境下でも安定した性能を発揮します。
  • カーボン繊維は、より高いパフォーマンスが求められる特殊な用途に適している

まとめ

強化ガラス繊維を使用したFRP(Fiber Reinforced Plastic)工法は、ガラス繊維と熱硬化性プラスチック樹脂を組み合わせた複合材料の一種です。

この工法は、高い引張強度、優れた耐熱性、および耐腐食性を特徴とし、ガラス繊維はマット、布、または連続繊維の形で配置され、その後樹脂が注入されて硬化します。

FRPは金属に比べて軽量でありながら強度が高く、幅広い用途があります。

最新のFRP(Fiber Reinforced Plastic)工法は、技術の進歩と環境意識の高まりに応じて進化を遂げています。

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