飼料・堆肥サイロの床面を保護するための防蝕仕様

樹脂ライニング

はじめに

干草や堆肥が発酵や腐敗する過程で、有機酸やアンモニアが生成されます。これらの腐食性物質は、サイロのコンクリート床面に悪影響を及ぼし、劣化や強度の低下を引き起こします。これらの腐食性物質によるダメージを防ぐために、効果的な防蝕対策が必要です。

腐食対策は、耐食性が高く環境を遮断する特性を持つコーティング剤を床面に塗布することが推奨されます。この方法は防蝕ライニングと呼ばれ、腐蝕環境を遮断するとともに、物理的な強度を向上させる効果があります。

化学物質の直接的な接触を防ぎ、コンクリートを守ることにより、サイロの床面を長期間にわたり保護することが可能です。

化学工場は、酸やアルカリなど様々な薬品が扱われるため、設備の腐食が大きな課題となります。

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飼料・堆肥サイロのコンクリート腐蝕の原因と防蝕対策

コンクリート腐蝕の原因

  • 有機酸やアンモニアによる化学的腐蝕
  1. 干草や堆肥の発酵や腐敗により、有機酸やアンモニアが発生します。
  2. これらの腐食性物質はコンクリート内のカルシウムと反応し、コンクリートの構造を弱めます。
  • 物理的ストレス
  1. 重機やトラックなどの重量による繰り返しの負荷がコンクリートにストレスを与え、微細なひび割れを引き起こすことがあります。
  2. ひび割れから水分や化学物質が浸透し、腐蝕や劣化が進行します。
  • 環境要因
  1. 温度変化や湿度の高い環境は、コンクリートの伸縮に影響を与え、ひび割れや劣化を加速させます。
  2. 特に冬季の凍結と解氷のサイクルは、コンクリートの損傷を引き起こす主な要因です。

(株)RSテックではコンクリート防蝕に関する、様々な耐食樹脂と工法を提供することができます。

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防蝕対策

1. 優れた耐化学性

樹脂ライニングは、酸や塩分などの化学物質に対して非常に高い耐性を持っています。飼料や堆肥が発酵する過程で生成される乳酸、アンモニアなどの腐食性物質からコンクリートを効果的に保護します。

2. 高い防水性

樹脂は高い防水性を持ち、樹脂ライニングを施すことでコンクリートに分厚い塗膜を形成し、非常に効果的な防水層を提供します。

3. 柔軟性と耐久性

コンクリートは硬く脆い多孔質の建材であり、引っ張り強度に弱点があります。一方、樹脂は種類にもよりますが、コンクリートより柔軟性が高く、樹脂ライニングを施すことでコンクリートの弱点を補うことができます。

4. 既設のコンクリートサイロにも施工可能

樹脂ライニングは、既設の弱体化した設備にも適用可能で、腐蝕や劣化環境からの遮断に加え、補修と補強も行えます。

弱体化したコンクリートサイロの問題点

既設のコンクリートサイロは、長年の使用によって以下のような問題が発生することがあります:

  1. ひび割れ:
    • 温度変化や荷重によるストレスでひび割れが発生し、これが腐食の原因となります。
  2. 化学腐食:
    • 飼料や堆肥から発生する酸性物質がコンクリートを劣化させます。
  3. 物理的損傷:
    • 機械的な衝撃や摩耗によってコンクリートが損傷します。
  4. 鉄筋の腐食:
    • コンクリート内部の鉄筋が錆びることで、構造的な強度が低下します。

硬く多孔質な材料であるコンクリートやスレートは、その構造が原因で圧縮強度、曲げ強度、引張強度の低下や摩耗の問題を抱えています。

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樹脂ライニングの効果

  1. 耐化学性の向上:
    • 樹脂ライニングは酸や塩分に対して高い耐性を持ち、コンクリートを化学腐食から保護します。これにより、飼料や堆肥から発生する腐食性物質の影響を受けにくくなります。
  2. 防水性の向上:
    • 樹脂ライニングは優れた防水性を提供し、水分の浸透を防ぎます。これにより、湿気や水分による劣化を防止し、内部の鉄筋の腐食を抑制します。
  3. ひび割れの封鎖:
    • 樹脂ライニングは既存のひび割れを封鎖し、新たなひび割れの発生を防ぎます。柔軟性があるため、コンクリートの動きにも追従します。
  4. 耐久性の向上:
    • 樹脂ライニングは高い耐久性を持ち、物理的損傷に対する抵抗力を提供します。これにより、摩耗や衝撃からコンクリートを保護します。

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5. 滑らかな表面仕上げ

樹脂ライニングは滑らかな表面を提供し、飼料や堆肥の付着を防ぎます。これにより、清掃が容易になり、微生物の繁殖や化学物質の蓄積を防ぐことができます。

飼料や堆肥サイロのコンクリート床面は、化学的、物理的、環境的な多くの要因によって腐蝕のリスクにさらされています。これらの腐蝕要因を理解し、適切な防蝕対策を講じることで、サイロの耐久性を保ち、長期的な機能性を維持することが可能です。

(株)RSテックの防蝕仕様

コンクリートと一体化、RS#123ポリウレタンライニング

RS#123はコンクリートの空隙に積極的に浸透し、確実に固着します。この材料をコンクリートが吸収しきるまで重ね塗りすることにより、コンクリートと樹脂が一体化した構造が形成されます。

この方法により、剥がれにくい表面が実現され、耐久性の高い仕上がりが得られます。

RS#123の詳しい内容は、以下のリンクから確認ができます。

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一般的な防蝕仕様では、耐腐食性の高い材料を使用して床面を保護します。この方法は施工が簡単で、台車が通常走行する程度の負荷にも耐えることができます。たとえば、多層に塗布しても一日で作業を完了させることが可能です。

耐磨耗性を強化した仕様

耐食性・耐久性のRSJ#100エポキシライニング工法

RSJ#100は、環境に優しい無溶剤型の耐食性エポキシ樹脂です。多種多様な化学薬品に対して高い耐性を持ち、湿潤環境や水中でも問題なく硬化する特性を有しています。この樹脂に砂を混ぜて使用する樹脂モルタル工法は、耐久性と強度をさらに強化します。

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RSJ#100の水中塗布と、硬化の状況をYoutube動画で確認ができます。

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サイロの床面の耐磨耗性をさらに強化するためには、より高度な仕様が求められます。RSJ#100エポキシ樹脂に砂を混ぜた樹脂モルタルを使用します。この樹脂モルタルは樹脂単体よりも耐摩耗性に優れた材料となります。

RSJ#100を活用した耐食モルタルについての詳しい内容は、以下のリンクから確認ができます。

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まとめ

飼料や堆肥サイロの床面は、腐蝕や磨耗によるダメージに対して特に脆弱です。適切な防蝕仕様を採用することで、これらの問題を効果的に防ぎ、サイロの耐久性と機能性を維持することが可能です。

基本的な防蝕仕様から耐磨耗性を強化した高度な仕様まで、各サイロの状況に応じた最適な解決策を選択することが重要です。

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(株)RSテックは、防蝕ライニング専用の樹脂販売、防蝕設計、各種防蝕ライニング施工まで、一貫したサービスを提供しています。お客様のニーズに最適な防蝕対策をトータルにサポートいたします。

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