樹脂ライニングの目的と必要性、現地施工に有利な材料

工場塗装と現地塗装

防食ライニングの方法は、鋼製構造物やコンクリート構造物の表面に、樹脂による分厚い皮膜を密着させて、環境を遮断する「樹脂ライニング」が一般的な方法となります。

樹脂ライニングは、設備の腐食や劣化が想定される、悪環境からの遮断性が求められ、設備を安全に維持管理するための、有効な手段であることで知られています。特に、既設の設備に対するメンテナンスや補修においては、現地施工が主流なります。

使用する耐食材料やライニング工法を正しく選定することによって、より高い耐久性のある安定的な塗膜形成を可能とし、設備の長期延命を可能にすることができます。

今後の樹脂ライニングにおいては、安全性、作業性の優れた材料と、施工技術の向上などを通じて、樹脂ライニングのさらなる発展が期待されています。

塗装と樹脂ライニングとの違い

塗装は、表面に薄い塗膜層を形成することで、腐食や劣化を防ぐ方法です。塗料には、耐久性や耐候性があるため、さまざまな環境条件にたいして耐性があります。ただし、塗膜層が薄いため、厳しい環境下での使用には限界があります。

樹脂ライニングは、耐食性のある樹脂材料で作られた厚いライニング層を形成することで、腐食や劣化を防ぐ方法です。ライニング層は、塗装で得られる膜厚よりも極端に厚く、耐久性、耐候性、耐薬品性に優れ、より厳しい環境下での使用に適しています。

つまり、防食塗装は薄くて、塗りやすさと美観性があるのに対し、樹脂ライニングは厚く頑丈で、美観性よりも機能性が重視されます。どちらの方法を使用するかは、環境条件、使用目的、予算などによって異なります。

防食ライニングは現場施工が主流

防食ライニングは、設備の寿命を延ばすために使用されることが多く、既設の設備の老朽化に伴い、メンテナンスや補修を目的として行うことが多いです。

既設の設備に防食ライニングを施工する場合は、現地施工することで、設備の稼働時間を最大限に活用できます。

さらに、既存の設備に樹脂ライニングを施工することで、新規の設備を導入するよりも低コストで腐食や劣化を防止できるため、メンテナンスをして長期延命していくことで、設備の維持管理をすることが主流になっていると考えられます。

屋外施工では気象条件が大きな問題

現地施工の樹脂ライニングでは、様々な不測の事態が想定されるので、専門的な技術と高度な品質管理が求められます。

代表的な例は、屋外での現地施工の場合、気象条件が大きな問題になります。気温、湿度、風、降雨量、日照時間などが、樹脂ライニング作業に影響を与えます。

特に、高温多湿の季節や悪天候の場合は、塗料の硬化や樹脂ライニングの品質に影響を与える可能性があります。

気象条件が樹脂ライニングの品質に与える影響は、以下のようなことが考えられます。

  1. 温度:
    • 一般的な材料では、温度が低すぎると、塗料の硬化か遅くなり、温度が高すぎると、塗料の乾燥が早くなります。特に低温作業となる場合、硬化が極端に遅くなると、工期の遅延に影響します。また、急激な温度変化も塗膜の割れや剥離などの問題を引き起こすことがあります。
  2. 湿度:
    • 湿度が高いと、塗膜の乾燥が遅れる、または硬化不良や密着不良となる場合があります。一般的な材料では、湿潤環境では作業ができないことが多く、環境を改善して露点管理する必要があります。
  3. 風速:
    • 風速が強い場合には、塗料が飛散してしまうことがあります。また、塗布面にゴミやホコリが付着することがあります。
  4. 降雨:
    • 雨天で水分が塗布面に存在する場合、一般的な材料では作業が中断、あるいは延期になります。無理に施工を進めると、硬化不良、密着不良、外観不良となる可能性があります。

気象条件は、塗装作業の品質を左右するため、塗装作業を行う前には、現地の気象条件をしっかりと確認し、適切な対策を講じることが重要です。

湿潤環境や水中で硬化性のあるエポキシ樹脂

現地施工の樹脂ライニングでは、湿潤環境によるトラブルが多くあります。これらの問題に対応して、無溶剤型の湿潤環境でも硬化する耐食性のあるエポキシ樹脂は、不測の事態に対応できる手段として有効です。

無溶剤型のエポキシ樹脂は、揮発性有機化合物(VOC)の排出が少ないため、環境にも優しいとされています。さらに、湿度の高い環境下でも硬化する性質を持っているため、湿度の問題にも対応できます。

まとめ

(株)RSテックでは様々な耐食樹脂のラインナップがあります。また防食でお困りの設備に対して、樹脂ライニング工法の提案等もさせて頂いております。

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