イントロダクション
縞鋼板はその耐久性と防滑性で広く利用されていますが、防滑性能の低下と防蝕処理の課題は、長期的な利用において大きな問題となります。特に、屋外や厳しい環境下での使用において、これらの問題はより顕著に現れます。
縞鋼板の防蝕塗装をしたが、すぐに錆びてきたということはありませんか?
株式会社RSテックでは、これらの課題に対する独自の解決策を開発し、効果的な防滑・防蝕設計を提供しています。この記事では、縞鋼板の防滑性と防蝕性の問題点、一般的な解決策、そして当社の防蝕設計について紹介します。
縞鋼板とは
縞鋼板(しまこうはん)、またはチェッカープレートとも呼ばれる、は表面に一定のパターンの凸凹が施された鋼板です。この凸凹パターンは、主に滑り防止の機能を提供し、視覚的にも特徴的な見た目を持っています。パターンの形状は、一般にはダイヤモンド形状、涙形、または円形などがありますが、これらのパターンは用途に応じて異なります。
縞鋼板はその防滑特性のため、工業用途や建築分野で広く使用されています。例えば、階段の踏み板、床材、歩道、足場など、滑りやすい場所や耐久性が求められる環境で利用されます。
縞鋼板は、その耐久性、耐摩耗性、そして滑りにくい表面のおかげで、安全性を高めることができる素材として重宝されています。ただし、環境や使用状況によっては、定期的なメンテナンスや適切な防蝕処理が必要となります。
縞鋼板の腐食問題
縞鋼板は、その表面に特有の縞模様が特徴であり、滑り防止や耐摩耗性に優れているため、床板や階段、さらには工業用プラットフォームなどに使用されます。しかし、この縞模様が水分や化学物質の停滞を引き起こし、結果として腐食を促進することがあります。
縞鋼板の腐食問題は、その使用環境や材料の性質に大きく依存します。鋼は、特に湿度が高い環境や塩分を含む環境(例えば、海岸近くや冬期に道路に撒かれる融雪剤の影響を受ける地域)で使用される場合、錆びやすい性質があります。縞鋼板の腐食問題について詳しく説明します。
腐食の原因
- 湿度と水分:
- 水分は鋼の腐食を促進します。水や湿気が縞鋼板の表面に長時間留まると、鉄が酸素と反応し、錆(鉄の酸化物)が形成されます。
- 塩分:
- 塩分は腐食を加速させる効果があります。海水や融雪剤に含まれる塩分が縞鋼板に接触すると、錆の形成が早まります。
- 化学物質:
- 工業地帯やプラント設備では、化学物質が腐食を促進する場合があります。
腐食の問題点
- 構造的強度の低下:
- 錆は金属の構造的強度を低下させ、穴が開くなどの物理的損傷を引き起こす可能性があります。これは、安全性の問題を引き起こすだけでなく、修復や交換に関連するコストを増加させます。
- 滑りやすさの増加:
- 縞鋼板は防滑性を提供するために使用されますが、錆びた表面は元の滑りにくい性質を失い、滑りやすくなることがあります。
- 見た目の悪化:
- 腐食は見た目にも悪影響を及ぼし、設備や建物の外観を損ないます。
縞鋼板の防滑性能の低下
縞鋼板は、雨天時や油が付着した場合に防滑性能が大幅に低下することがあります。
縞鋼板は、その表面に特有の凹凸があることで知られ、これが防滑性を提供します。しかし、この防滑性能は、特定の条件下で大きく低下する可能性があります。
その結果として生じるリスクは、使用する環境や条件によって深刻な安全上の問題を引き起こすことがあります。
防滑性能の低下の原因
- 水分や油分の存在:
- 縞鋼板が雨水や油分などで濡れた場合、水分や油分が凹凸の間に滞留し、表面の摩擦係数が大幅に低下します。これにより、歩行者や車両が滑りやすくなり、転倒や滑走のリスクが高まります。
- 摩耗による凹凸の減少:
- 継続的な歩行や車両の通行による摩耗は、縞鋼板の表面の凹凸を徐々にならしていきます。時間が経つにつれて、防滑性能は自然と低下し、滑りやすい表面に変わってしまいます。
- 汚れや異物の蓄積:
- 表面に蓄積した汚れや異物も、防滑性能を低下させる一因です。これらが凹凸の間に詰まることで、本来の防滑効果が損なわれます。
低下した防滑性能によるリスク
- 歩行者の転倒事故:
- 滑りやすくなった縞鋼板の上を歩く人が転倒し、怪我をするリスクが高まります。特に高齢者や子供など、転倒時の怪我が深刻になりやすい人々にとって大きなリスクです。
- 車両の滑走事故:
- 車両が滑りやすくなった縞鋼板の上を通過する際、特に急ブレーキや急加速をした場合、滑走しやすくなります。これにより、交通事故のリスクが増加します。
- 作業効率の低下:
- 工業施設や建設現場などでの作業効率が低下する可能性があります。作業員が滑りやすい環境で作業を行うことは、安全性の低下だけでなく、作業の遅延や品質の低下を招くことがあります。
防蝕塗装の課題
屋外での長期使用を目的とした鋼製品には、防錆塗装が必須です。しかし、縞鋼板のような凹凸がある表面を通常の方法で塗装すると、凸部の角にピンホールや「透け」が無数に生じ、これらが錆の原因となります。つまり縞鋼板の防蝕処理は簡単ではありません。
縞鋼板を防蝕処理する際に直面する主要な課題を箇条書きで詳しく解説します:
- ケレン作業の難しさ:
- 縞鋼板の凸部の方向が一定ではないため、表面全体を均一に磨き上げることが困難。
- 凹凸構造により、適切な下地処理を行うことが複雑化し、均一な表面処理が難しい。
- 塗膜の均一な施工が困難:
- 凸部の角に塗膜を十分な厚みで均一に施すことが困難。
- 塗膜の厚みが不十分な場合、その部分の防蝕保護が弱くなり、施工後早期に腐食するリスクが増大。
- 特に錆びやすい部分の保護:
- 角部やエッジは特に錆びやすく、これらの部位の保護が非常に重要。
- 不均一な塗膜や薄い塗膜では、これらの敏感な部分を十分に保護できない。
これらの課題は、縞鋼板の防蝕処理を行う際に特別な注意を要し、一般的な塗装や処理方法では対応が難しいことを意味します。
したがって、縞鋼板を効果的に保護するためには、専門的な技術や材料を用いたアプローチが必要となります。これには、高度な塗装技術、特殊な塗料、または縞鋼板の表面構造に適応した特別な処理方法が含まれます。
縞鋼板の防蝕と防滑の理想的な仕様と対策
防滑性能の低下と腐蝕のリスクを軽減するためには、定期的なメンテナンスと適切な表面処理が重要です。これには、表面の防蝕、凹凸部の再形成、特殊な防滑コーティングの施工等で対策ができます。
RSテックの防蝕、防滑仕様
①防錆接着プライマー(RS#125)の塗布:
最初のステップとして、防錆効果を持つ接着プライマーを塗布します。
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②接着プライマー(RS#123)の塗布と防滑材の撒布:次に、接着プライマーを塗布し、その上に防滑材を撒布して接着させます。
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③防滑層補強:
防滑層補強材(RS#123)を塗布して防滑剤を固定させます。さらに、二回目の塗布を行い接着を補強します。
④上塗りの施工:
着色、紫外線劣化防止、防滑層補強のための上塗りを行います。二回目の塗布を行い、色むらをなくします。この工程を通じて、防蝕力も増します。
これら一連の工程によって、防錆プライマー、防滑材、接着補強塗料が一体化し、強固な防滑防蝕層が形成されます。この上に上塗りを施すことで完成です。
まとめ
縞鋼板は、その耐久性と強度から建築から工業まで幅広い分野で利用されています。しかし、その耐久性にも関わらず、縞鋼板は腐食のリスクに常に晒されています。特に、厳しい気象条件や腐食性の環境に置かれた際には、縞鋼板の表面は時間と共に劣化し、その機能性を損なう可能性があります。
ここで重要な役割を果たすのが、効果的な防食、防滑処理です。本稿では、(株)RSテックが提供する縞鋼板の防食塗装に関する防蝕設計について解説してきました。
安全な作業環境の確保や長期的な資産保全は、どの業界においても重要な課題です。株式会社RSテックは、これらの課題に対し、効果的な対策となる提案をしていきます。
お客様のニーズに合わせたカスタマイズも可能ですので、ご興味がございましたら、ぜひお問い合わせください。
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