はじめに
無溶剤エポキシライニング材は、耐久性や性能を重視する場合に最適な選択肢とされています。しかし、製品の多くには「無溶剤」と記載されているにもかかわらず、実際には溶剤が含まれていることが少なくありません。これは、「言葉の目くらまし」として注意が必要です。
溶剤を入れるメリットは短期的には作業性や仕上がりの向上といった利点をもたらしますが、デメリットは中長期的に塗膜の性能に悪影響を与える原因となります。
(株)RSテックは、防蝕ライニング用樹脂の販売、防蝕設計、施工を一貫して行い、防蝕に関わるあらゆる問題解決を目指しています。お客様のニーズに合わせた最適な防蝕ソリューションを提供し、トータルサポートを通じて確かな安心をお届けします。
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溶剤とは?
「溶剤」とは、主に他の物質を溶かすために使用される揮発性の有機化合物を指します。例えば、樹脂コーティング材においては、粘度を調整するために使用されることが多いです。
溶剤は主に粘度調整や塗布性の向上を目的として使用される揮発性の液体です。溶剤は、塗布後や硬化プロセス中に揮発し、最終的には樹脂から完全に抜けることが期待されます。溶剤が完全に蒸発しない場合、硬化後の膜に残留し、残留応力や物性の劣化を引き起こす可能性があります。
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無溶剤型の樹脂ライニング材とは?
「無溶剤」と表記された樹脂ライニング材、例えば無溶剤のエポキシ樹脂の場合、主剤や硬化剤そのものに溶剤が添加されていない状態を指します。しかし、完全に溶剤が含まれていないわけではなく、化学反応の過程で一部の成分が揮発性を持つ可能性がありますが、それは一般に「溶剤」とは区別されます。
(株)RSテックの無溶剤型耐食エポキシ樹脂「RSJ#100」は、シリカを配合した優れた防蝕性能と、水中でも硬化する特徴があり、様々の用途で採用されています。
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つまり、無溶剤エポキシ樹脂は、製品設計上、意図的に溶剤を加えずに配合されていることを意味します。これにより、溶剤の蒸発やその後の問題(残留応力や膜の物性の変化など)が避けられ、硬化後の性能が安定することが期待されます。
アミン類は化学反応の一部として残り、エポキシ樹脂と結合して硬化した膜の中に組み込まれます。
したがって、アミンを「溶剤」とは通常呼びません。むしろ、硬化剤としての役割を持つ化学成分として扱われます。無溶剤のエポキシ樹脂システムにおいても、硬化剤としてアミン類が使用されることが一般的です。しかし、これらのアミン類は溶剤ではないため、無溶剤という表現は正当です。
溶剤を加えるメリット
製品に溶剤を加えることで得られる一時的な利点は、以下の通りです:
溶剤を添加することで得られるメリットは主に短期的なものが中心となります。
溶剤を加えるデメリット
一方、溶剤を加えることで発生する問題は、より長期的で深刻な影響をもたらします:
耐食性の低下:
溶剤が硬化後に完全に蒸発せずに残ると、塗膜の密度が低下し、腐食性物質(例:水分、化学薬品)が塗膜内部に浸透しやすくなります。これにより、耐食性が損なわれ、ライニング材の長期的な防食性能が低下することがあります。
防食性の低下:
溶剤が塗膜内に残留すると、硬化中に生じる収縮が不均一となり、残留応力が発生することがあります。これが塗膜の接着力を弱め、剥がれやひび割れを引き起こす原因となり得ます。
物性の変化:
溶剤の添加により、塗膜の吸水率が上昇し、薬液透過を助長することになります。これにより、長期間にわたる塗膜の安定性や性能が低下し、保護機能が損なわれるリスクがあります。
これらのデメリットは、すぐに現れるわけではありませんが、時間が経つにつれて大きな問題を引き起こす可能性があります。
溶剤を使用することで、作業性や仕上がりの品質が一時的に向上する一方で、塗膜の耐久性や防食性能といった本来求められる特性を損なうリスクがあることを理解しておくことが重要です。特に、高い耐久性や防食性が求められる防食ライニング材では、溶剤の使用は品質に大きく影響します。
まとめ
溶剤を樹脂ライニング材に加えることは、一時的な利便性を提供するかもしれませんが、長期的には大きなリスクを伴います。耐久性を重視する場合、溶剤を加えるべきではありません。
正しい知識と技術を持った施工が求められます。
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