耐久性を確保するための防蝕技術:不導体被膜の重要性と重要ポイント

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防蝕対策は、金属や構造物の耐久性を確保するために欠かせない技術です。防蝕に関連する重要な知識の一つに「不導体被膜」という概念があります。

例えば、コンクリート構造物では、コンクリートの強アルカリ性により内部の鉄筋が不導体被膜を形成し、腐食から保護されています。

本記事では、この不導体被膜について詳しく解説し、効果的な防蝕対策の重要ポイントを探ります。これにより、構造物や設備の長期的な耐久性と安全性を高めるための知識を深めていきます。

不導体被膜とは

不導体被膜は、金属表面に形成される薄い酸化物や化合物の層で、電気伝導性が低く、腐食を防ぐ役割を果たします。一般的には以下の方法で形成されます。

自己修復のメカニズム

このように、不働態被膜の自己修復能力は、金属の耐食性を大幅に向上させる重要な特性です。

ちなみに、溶融亜鉛メッキの犠牲防食と不働態被膜自己修復機能は、どちらも金属の腐食防止に役立ちますが、メカニズムが異なります。

溶融亜鉛メッキの上に飽和ポリエステル粉体塗装の2重防蝕は塩害対策に最適です。詳しい内容は以下のリンクから確認ができます。

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濃硫酸による不導態層

濃硫酸は、鉄やステンレス鋼の表面に非常に安定した酸化鉄の層を形成します。この酸化層が不導体化層となり、金属がさらなる腐食から保護されます。

濃硫酸と希硫酸

希硫酸と濃硫酸の境界となる濃度については、明確な基準はないようですが、一般的には、硫酸(H₂SO₄)の濃度が70%未満の場合は希硫酸と呼ばれ、70%以上の場合は濃硫酸と呼ばれます。

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濃硫酸による不働態被膜と希硫酸

濃硫酸環境下の防蝕対策

濃硫酸環境下では、金属の不導体被膜による防蝕効果は確かに高いですが、それだけに頼るのは不十分です。高温や濃度変化、不純物、攪拌、気泡など、様々な要因が不働態化に影響を与える可能性があります。

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コンクリート中鉄筋の不動態化

コンクリートに埋め込まれた鉄筋も不働態被膜によって保護されます。

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不導体被膜の形成

防食対策の必要性

コンクリート内部の鉄筋は、強アルカリ性の環境によって酸化被膜(不導体被膜)が形成され、腐食から保護されています。しかし、この被膜だけに頼るのは危険です。

コンクリートの中性化によるpHの低下、塩化物イオンの侵入、ひび割れの発生などにより、不動態皮膜が破壊され、鉄筋が腐食し、構造物の耐久性が低下するリスクがあります。

コンクリートの劣化要因は多岐にわたるため、用途に応じた防蝕対策が必要です。

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まとめ

ここでは、「不働態化」と「不働態被膜」について実例を交えて詳しく解説しました。防蝕ライニングを検討する際に、不働態化の知識があることで、適切な防蝕仕様や材料の選定に役立つことを期待しています。

これらのポイントを理解し、実践することで、金属の劣化を防ぎ、長期間にわたる安全性と信頼性を確保することができます。

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