受水槽の安全性と長期耐久性、 RSJ#100エポキシFRPライニングの技術

樹脂ライニング

はじめに

受水槽の安全性と長期耐久性を確保するためには、コンクリートや鋼製受水槽の特有の劣化要因を理解し、適切な防護策を講じることが重要です。樹脂ライニングは、これらの劣化要因に対する優れた対策となり、受水槽の寿命を大幅に延ばすことができます。

本稿では、受水槽の腐食や劣化問題を解決するための一つの効果的な方法として、RSJ#100無溶剤エポキシFRP(Fiber Reinforced Plastic)ライニング技術の導入を提案します。

RSJ#100FRPライニングは、受水槽内部に樹脂ベースのコーティングを施すことで、漏水を防ぎ、内部を清潔に保つことができ、設備の長期維持が可能です。


コンクリート製受水槽の構造と漏水問題

コンクリート製受水槽の構造は、基礎、壁、底板、蓋から成り立ち、強度と耐久性を持っています。しかし、ひび割れや施工不良、劣化による漏水問題が発生することがあります。

コンクリート製受水槽の構造

コンクリート製受水槽は、強度と耐久性を持つコンクリートを材料とした貯水設備です。

  • 地下構造
    • 地下構造の受水槽は、地面の下に設置される受水槽です。通常、地表面から完全に隠れており、地上にはわずかな開口部やメンテナンス用のハッチのみが見える形になります。
  • 全地上構造
    • 全地上構造の受水槽は、地面の上に完全に設置されるタイプの受水槽です。地上に出ているため、周囲から視認できます。
  • 半地下構造
    • 半地下構造の受水槽は、地面の一部に埋設され、一部が地上に露出するタイプの受水槽です。地下と地上の利点を併せ持つ構造です。

半地下構造の構造クラックには、樹脂ライニングにとって注意する必要があります。詳しい内容は以下のリンクから確認ができます。

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コンクリート製受水槽の劣化

劣化要因:

  1. 化学攻撃: 酸や塩分による化学反応でコンクリートが劣化します。
  2. 水漏れ: コンクリートのひび割れや欠損により水漏れが発生します。
  3. 凍結融解: 気温の変動による凍結融解サイクルがひび割れを引き起こします。
  4. 物理的摩耗: 水流や固体物質の衝撃で表面が摩耗します。

コンクリート製受水槽の漏水問題

コンクリート製受水槽の漏水問題は、使用環境や施工品質に大きく影響されます。主な漏水原因とその対策について詳しく解説します。

主な漏水原因

  1. ひび割れ:
    • 乾燥収縮: コンクリートが硬化する際に水分が蒸発し、収縮することでひび割れが生じます。
    • 温度変化: 温度の急激な変化により、コンクリートが膨張・収縮し、ひび割れが発生します。
    • 地盤沈下: 基礎が不均一に沈下することで、構造に応力がかかり、ひび割れが生じます。
  2. 施工不良:
    • 不適切な配合: コンクリートの配合が適切でない場合、強度不足や水密性の低下が起こります。
    • 打設不良: コンクリートの打設が不均一であったり、振動が不十分な場合、空隙が残り、漏水の原因となります。
  3. 劣化:
    • 化学攻撃: 酸や塩分がコンクリートに侵入し、化学反応で劣化します。
    • 物理的摩耗: 水流や固体物質の影響で、コンクリート表面が摩耗し、漏水が発生します。
  4. ジャンカ:
    • コンクリート内部の不純物や砂利の集まりが原因で発生する空洞や凹みのことを指します。これらの部分は、構造の均一性を損ない、水漏れや強度の低下を招く可能性があります。

(株)RSテックではコンクリート防蝕に関する、様々な耐食樹脂と工法を提供することができます。

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鋼製受水槽の腐食と漏水問題

鋼製受水槽の腐食と漏水問題は、電気化学的腐食、水質の影響、環境要因、および物理的損傷によって引き起こされます。

主な漏水原因

  1. 腐食による穴あき:
    • 点腐食: 小さな穴が開く点腐食は、漏水の主な原因の一つです。
    • 全面腐食: 鋼材全体が均一に腐食し、薄くなることで漏水が発生します。
  2. 溶接部の劣化:
    • 溶接部の腐食: 溶接部は腐食しやすく、特にストレスがかかる部分で劣化が進行します。
    • 溶接不良: 溶接の品質が低い場合、微細な亀裂が生じ、漏水の原因となります。
  3. 物理的損傷:
    • 衝撃: 外部からの衝撃により、鋼材が損傷し、漏水が発生することがあります。
    • 振動: 振動により接合部が緩むことで、漏水が発生することもあります。

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孔食の原因

以下に、鋼製受水槽の底面や隅部で孔食がよく確認される理由を表でまとめます。

項目説明
酸素濃度の差酸素濃淡電池の形成: 鋼材表面に酸素の濃度差があると、酸素濃度の高い部分が陰極、低い部分が陽極となり、電位差が生じます。特に水槽の底面や隅部では、酸素の供給が少なくなりやすいため、これが孔食の発生を促進します。
水の滞留滞留水: 水槽の底面や隅部には水が滞留しやすく、流れが少ないため、腐食性物質が蓄積しやすくなります。これにより、局所的な腐食が進行しやすくなります。
不純物の沈殿沈殿物: 鋼製受水槽内の水には、微小な不純物が含まれています。これらの不純物が底面や隅部に沈殿し、腐食性の環境を作り出します。特に塩分や酸性物質が沈殿すると、腐食が促進されます。
物理的ストレス応力集中: 角や隅部では、応力が集中しやすく、物理的な歪みや亀裂が発生しやすくなります。これにより、保護層が破壊され、腐食が始まりやすくなります。
電気化学的腐食ガルバニック腐食: 異種金属が接触する部分や、溶接部などで電気化学的腐食が起こりやすくなります。これにより、隅部で特に孔食が進行することがあります。

局部的な腐食対策には、塗装よりも環境遮断性が高い防食ライニング材料の適切な使用が非常に効果的です。詳しい内容は以下のリンクから確認ができます。

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受水槽に樹脂ライニングを施すことの必要性

コンクリートや鋼製の受水槽に樹脂ライニングを施すことは、腐食防止、漏水防止、化学的耐性の向上、衛生維持に大きく寄与します。これにより、受水槽の耐久性が向上し、長期間にわたって安全かつ効率的に使用することができます。

コンクリート製受水槽

項目内容
腐食防止化学攻撃からの保護: コンクリートは酸や塩分による化学反応で劣化します。樹脂ライニングはこれらの化学物質からコンクリートを保護し、耐久性を向上させます。
漏水防止ひび割れのシール: コンクリートのひび割れや微細な欠損を樹脂ライニングでシールし、水の浸透を防ぎます。

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鋼製受水槽

項目内容
腐食防止酸素と水分の遮断: 鋼材は酸素と水分に触れることで腐食します。樹脂ライニングを施すことで、鋼材とこれらの腐食因子との接触を遮断し、腐食を防ぎます。
漏水防止ピンホールや亀裂の防止: 鋼材の微小な穴や亀裂からの漏水を防ぐために、樹脂ライニングは効果的です。

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両方の材質に共通

項目内容
化学的耐性の向上広範な耐化学性: 樹脂は多くの化学薬品に対して優れた耐性を持っており、腐食性の高い環境でも受水槽を保護します。
衛生維持– 細菌の繁殖防止: 樹脂ライニングは平滑で非多孔質の表面を作り出し、細菌や藻類の繁殖を防ぎます。
– 清掃の容易さ: 滑らかな樹脂表面は清掃が容易で、衛生的な状態を維持しやすくなります。
樹脂ライニングの利点– 耐久性の向上: 樹脂ライニングは、コンクリートや鋼材の表面を保護し、長期的な耐久性を大幅に向上させます。
– メンテナンスの軽減: 樹脂ライニングにより腐食や漏水が減少するため、メンテナンス頻度が低下し、長期的なコスト削減が可能です。
– 環境適応性: 樹脂はさまざまな環境条件に適応できるため、温度変化や湿度の影響を受けにくくなります。
– 安全性の確保: 特に飲料水の貯蔵において、樹脂ライニングは水質を保護し、安全な供給を確保します。

無溶剤エポキシ樹脂によるFRPライニング技術

無溶剤エポキシFRPライニングの基本概念

エポキシFRPライニング技術は、地下受水槽の内壁に繊維強化プラスチック(FRP)コーティングを施工し、水漏れを防止しながら内部を清潔に保つ最先端の解決策を提供します。無溶剤のエポキシ樹脂を使用することで、安全性と環境への配慮を両立させた耐久性の高い保護層を形成します。

このライニング技術は、優れた防水性能を発揮し、長期にわたって安定した性能を維持することが可能です。エポキシFRPライニングは、地下受水槽を長期間にわたり最適な状態に保つための効果的かつ信頼性の高い方法を提供します。

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RSJ#100エポキシFRPライニングによる防水効果

無溶剤エポキシFRPライニングを施工することで、コンクリート製受水槽の構造的弱点をカバーし、水の漏出や浸入を完全に防ぐことができます。特に、打継部やクラックなどからの漏水を防ぐ効果があり、内部の水質を守ると同時に、受水槽自体の耐久性も向上します。

無溶剤のRSJ#100エポキシFRPライニングは、薬品や腐食に対する耐性があり強度も高いため、さまざまな環境条件下での使用に適しています。これにより、地下受水槽が直面する一般的な問題を解決することが可能です。

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RSJ#100FRPライニング施工のメリット

漏水防止と構造強度の向上

RSJ#100FRPライニングは、その最大の利点である塗膜強度による漏水防止を可能にし、水質保護と受水槽の耐用年数の延長を実現します。

環境と人の健康に優しい無溶剤タイプで、VOC(揮発性有機化合物)の排出が少ないため、安全性が高いです。また、様々な化学薬品に対して強い耐性を持ち、湿潤環境や水中でも問題なく硬化する優れた作業性を誇ります。この性質は、予測不可能なメンテナンスや補修作業環境においてもその価値を発揮します。

RSJ#100エポキシ樹脂を使用したFRPライニングは、あらゆる環境下で使用される受水槽に対して、安全かつ耐久性に優れた長期的な解決策を提供します。

FRP工法は、下地のコンクリート状態に応じて、強化ガラス繊維の積層回数を調整することが可能であり、これにより塗膜の強度をカスタマイズし強化することができます。

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まとめ

下受水槽は、経年で漏水や衛生上の問題を引き起こす可能性がありますが、RSJ#100無溶剤エポキシ樹脂FRPライニング技術の導入により、これらの問題を効果的に解決することができます。

RSJ#100エポキシFRPライニングは、漏水防止、構造強度の向上、衛生状態の改善など、多くのメリットを提供します。さらに、安全な材料を使用しており、人と環境に優しい解決策としても優れています。

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